Seminarオスマン文書セミナー

オスマン文書セミナー

オスマン朝の文書・帳簿を古文書学・アーカイブズ学的視点から学ぶ演習形式のセミナーです。

第15回 オスマン文書セミナーのご案内

第15回 オスマン文書セミナーのご案内

 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(以下AA研)では、基幹研究「「記憶」のフィールド・アーカイビング:イスラームがつなぐ共生社会の動態の解明」(代表:野田仁)の事業の一環として、 2026年3月7日(土)と8日(日)に第15回オスマン文書セミナーを対面・オンラインで開催します。研究上、オスマン朝下で作成されたさまざまな手書きの文書や帳簿を読む必要のある方を中心に、広くイスラーム史を研究される方のご参加をお待ちしております。

 今回のセミナーは、東京大学・東洋文化研究所の秋葉先生を外部講師としてお迎えし、これまで取り上げなかった「証書」とも訳されるヒュッジェト(Hüccet)という文書類型を取り上げます。初日はまず講読に先立ち、シャリーア法廷文書文例集も参照つつヒュッジェトの様式、構成要素について解説を行います。シャリーア法廷が発給するヒュッジェトの正文は、勅令やベラートと同様に当事者である受取人の手元に残され、文書館に伝世する点数が少ないため、ヒュッジェトの内容を網羅的、体系的に知るにはシャリーア法廷記録簿を参照することが欠かせません。そのため今回のセミナーはヒュッジェトの正文とシャリーア法廷記録簿に記録されたヒュッジェトのテキストも扱います。

 とは言え、記録簿が今日失われている法廷も多いため、散発的にせよ伝存しているヒュッジェト正文が唯一の史料である案件も少なくありません。またシャリーア法廷記録簿を利用するためには、その記述の多くを占めるヒュッジェトの正文について正しく理解することが必須であることは言うまでもありません。ヒュッジェト正文は、冒頭・末尾の様式化された定型文言の箇所を除けば、比較的文字の読解が容易な文書類型と言えます。しかしシャリーア法廷が発給する文書であるという性質上、法廷における手続きや法学用語を正しく理解することが利用の前提となることにも留意する必要があります。

 今回の講読では初日と2日目午前の部では、トルコの国家アーカイブズ庁オスマン文書館とオランダ・ハーグ国立文書館所蔵の18世紀のヒュッジェト正文を取り上げます。できるだけ文字の判読が容易な実例と、ヒュッジェト正文とシャリーア法廷記録簿の記録の双方が伝存している実例を紹介する予定です。いずれの実例もオスマン支配下の異教徒や外国人がどのようにシャリーア法廷と関わり、ヒュッジェトを利用していたかを考える材料となればと考えています。

 また2日目午後の部では、やはり18世紀のコンヤとアンカラのシャリーア法廷の記録簿に記録された婚姻や家族関係に関するヒュッジェトのテキストを取り上げます。これら実例の講読を通じ、法廷でのヒュッジェトの作成や機能についての理解が進むことを期待しています。

 参加を希望される方は、3月2日(月)までにGoogleフォームにてお名前、ご所属、メールアドレス、専門分野、対面・オンライン参加の別、セミナー参加可能日程ほかを明記の上(部分参加も可)、ウェブ上でお申し込み下さい。また参加希望者にはセミナーで用いる資料がダウンロードできるURLを、準備が出来次第ご案内いたします。なお参加費は無料です。

申込先:こちらのフォームからお申込みください。
事務連絡・問合わせ先:
  AA研基幹研究「記憶」事務局(担当:千葉)
  e-mail:chiba_shukuko@tufs.ac.jp (@は半角)

プログラム等の詳細は以下の通りです。

日時2026年3月7日(土)14:00-17:30 / 2026年3月8日(日)10:30-17:00
会場東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)3階大会議室(303号室)
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
およびZoomによるオンライン開催
https://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/access.html
https://www.aa.tufs.ac.jp/about/access
使用言語日本語
主催AA研基幹研究「「記憶」のフィールド・アーカイビング:イスラームがつなぐ共生社会の動態の解明」
講師秋葉淳(東京大学・東洋文化研究所)、髙松洋一(AA研)

プログラム

3月7日(土)

14:00-14:10趣旨説明 講師・自己紹介
14:10-15:40ヒュッジェトの様式と用語の解説(秋葉・髙松)
16:00-17:30ヒュッジェト正文の講読 I(髙松)

3月8日(日)

10:30-12:00ヒュッジェト正文の講読 II(髙松)
13:00-14:30法廷記録簿に記録されたヒュッジェト講読 I(秋葉)
15:00-16:30法廷記録簿に記録されたヒュッジェト講読 II(秋葉)
16:30-17:00総合討論

(プログラムはあくまで目安です。当日の進行により変更の可能性がありえます)